便は黄色からこげ茶色のバナナの硬さが理想的です。
ウサギの糞のような硬いコロコロ便や、
カタチにならない下痢便でお悩みではありませんか?
腹痛をともない、シャーっと下痢したかと思ったら、数日後には肛門が痛くなるほどのコロコロ便がでたりする。学生時代の若い頃、特に試験前になるとこのような経験をよくした方。最近、仕事のストレスが多いと感じる方。過敏性腸症候群かもしれません。
数日程度の一過性のものであれば感染性のものを疑います。
しかし何か月も長期間にわたる下痢で、しかも時に血液が混じる、おなかがジクジク痛むという場合は大腸内視鏡検査で炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の有無を確認しましょう。
元来、数日に1回しか便が出ない等は女性に多くみられます。これが原因でおなかが張るなどの症状のある方はお薬で便の性状を軟らかくする必要があります。硬便をムリしていきんで出すと痔の原因となります。
また、安定剤等を服用中の方は腸の動きが弱くなり、便秘になり易い傾向があります。
黄色からこげ茶色が理想です。食べ物の関係で緑色調の場合もあります。真っ黒な便(タール便)が便器にベターッと付着するような時は胃カメラの検査を受けましょう。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの上部消化管からの出血が考えられます。赤黒い便または真っ赤な鮮血が出る場合は大腸や痔からの出血が考えられます。大腸カメラの検査を受けましょう。
これらの出血の場合は直ちに検査を行う緊急内視鏡検査を必要とする場合があります。特殊な例ですが白い便が出るようであれば、直ちに肝臓の検査を受けましょう。
のどの違和感、胸部の痛み、胸焼け、吐き気もおなかが原因の場合があります。
心臓や肺の疾患(心筋梗塞、胸膜炎、気胸etc.)でも認められますが、
消化管で代表的なものは逆流性食道炎や食道カンジダ症などがあります。
最近はテレビでも紹介されている逆流性食道炎があります。
喉の奥の異物感・痰がからんでいるような感じがある場合も胃酸の逆流が原因と考えられます。
心臓や肺の疾患(心筋梗塞、動脈瘤、胸膜炎、気胸など)でも認められますが、消化管で代表的なものは逆流性食道炎や食道カンジダ症、胆のう炎などがあります。
食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肝胆道・胆のう・膵臓・腎臓・膀胱・大血管・ヘルニアなど
あらゆる臓器から痛みの原因を検索します。
便秘で大腸に便やガスがたまっている時の症状として一般的ですが、大腸の腫瘍や小腸のねじれによる通過障害による症状でもあり要注意です。嘔気や嘔吐をともなうこともあります。この他、ピロリ菌感染により胃の機能が落ちている時にもこのような症状が出ることがあります。
ピロリ感染胃炎、萎縮性胃炎などの他、逆流性食道炎の際もこのような症状を認めることがあります。
胃腸の疾患だけでなく、風邪、肺炎の他あらゆる病気で認められます。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍の他、ピロリ感染胃炎、逆流性食道炎、胃アニサキス症、胆のう炎、膵炎などが考えられます。
稀ですが、心筋梗塞の場合もこのような症状を示すことがあります。
排便後にペーパーに血がつくという程度から、便器が真っ赤に染まってびっくりしたという場合まで様々です。便秘のため、トイレで“うーん”と顔を真っ赤にして“いきんで”いませんか? それから、トイレに新聞、雑誌や携帯電話を持ってはいり、長いことこもっていませんか? これらは痔を悪化させます。
腸管を栄養する血管の循環障害に起因し、動脈硬化や便秘などが関与すると考えられています。動脈硬化というと高齢者の病気と思われるかもしれませんが、若年者でも発症します。出血のほか、下痢、腹痛なども生じます。
皆さんが最もおそれている病気でしょう。血便が必ず出現するわけではなく、お腹がはる、ガスが出にくい、便が出にくい、便柱が細くなったなどの症状が出た場合は要注意です。またこの疾患に関しては初期はほとんど無症状です。定期的な大腸内視鏡検査をお勧めします。
時に出血をともないますが、比較的まれです。ほとんど症状はありません。
腸管内に小さな袋状の部屋が認められ、ここから出血することがあります。大腸内視鏡を挿入して、クリップで止血し治療します。
食物、海外旅行、ペットなどから感染し、腹痛や下痢をともない、時に出血します。病原性をもった細菌など(テレビでも話題になったO-157も含まれます)が原因で、抗菌剤などで治療します。
他の病気の治療を目的として投与された薬物(抗生物質や消炎鎮痛剤:痛み止めなど)が原因で、出血や下痢、時には腹痛を生じます。
原因不明の疾患で、腹痛、下痢、発熱などをともないます。
プロトンポンプ阻害剤(PPI)という胃酸分泌抑制剤とアモキシシリン、クラリスロマイシンという3薬剤を1日2回、7日間服用します。
最近ではプロトンポンプ阻害剤に代えて、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)のボノプラザン(VPZ)を使用しています。
1次除菌と2次除菌で除菌が不成功に終わった方、またペニシリンアレルギーをお持ちの方には3次除菌が必要です。3次除菌は保険診療で認められていませんので自費治療となり、全額が自己負担となります。また、3次除菌で用いる薬剤の組み合わせ(レジメン)は日本ヘリコバクター学会で、安全で副作用も少なく、除菌率の高いレジメンが現在検討されています。
当院では日本ヘリコバクター学会で報告・検討が重ねられている数種類の3次除菌治療を行っていますが、主に以下のA)~D)を組み合わせたレジメンを用いています。
Aアモキシシリンを除いた薬剤を組み合わせたもの(主にペニシリンアレルギーをお持ちの方に用いる)
Bアモキシシリンを組み合わせたもの(ペニシリンアレルギーがない方)
Cシタフロキサシン ( STFX ) という抗菌薬を組み合わせたもの
Dプロトンポンプ阻害剤(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の容量を増やし、胃酸分泌抑制を強力にしたもの
除菌治療薬は、日常の診療で使用されている普通の薬剤の組み合わせです。除菌治療の際は高用量で用いるため、治療中に限って下痢や味覚障害が比較的高頻度に出現しますが、日常生活に支障はありません。また、ごく稀に出血性大腸炎等が認められますが、決して特殊で危険な薬剤ではありませんので、胃癌予防のためにも除菌を強くお勧めします。
認定医
横山 浩孝